わかってる。
言わずもがなのところにわざわざツッコむのは野暮だって。
みんな、もう心の中でつっこんだって。
でも、どうしてかな、心の中にしこりが残ってる。
何か仕事をやり残してしまったような、
そんなわだかまりが残っている。
そう、思い出すのは、数年前の夏。どこからともなく流れてきた特徴のあるKEIKOの声が美しくこう歌い上げた。
からだぁが、とけだぁす、このきぃせきを、まってたぁあ~
飯を、ふいた。
KEIKOは出汁がでるの? ねえ。
うまいの?うまいの?KEIKOの出汁はうまいの?
あ、いや、言わんとするところはわかるの。なんとなくわかるの。
体がとろける感じでしょ?
はじまりはそう、中学生、いやあれは高校生の時だっただろうか。
『コムロの歌詞ってダサいよね』
音楽に明るい友人が、そう言った。
こどもの私にはなんのことかわからなかった。
コムロに歌詞?
歌詞なんかなくね????
おりしもコムロ絶頂期。あれは、あの一連の音楽は、そう、
なんかそんな感じでふわっと楽しんで歌詞はスルーするものだったはずだ。
たとえゥウォー、ウォートゥナーイ、って言ってたって、
そこで立ち止まらずに、
「ああ、はいはい、ウォーウォートゥナイね」
って、スルーするのがお作法だった。
気づきは、数年後にやってきた。
カラオケでコムロを歌った時に、背後で団塊の世代がポカーンとした。
『おもしろい、歌詞ね』
その時、初めて私は、
『いろんな顔と心って 世界じゅうに溢れてるね
敵味方に分かれ 殺し合いをしているね』
と言うのがむしょーに恥ずかしくなった。
なんか、こう、とっても恥ずかしくなったのだ。
そしてその時、過去の友人の何気ない一言が頭の中をリフレインし、
私はハッとしたのだ。
あ、コムロの歌詞だせえええええ!!!
そこで、私の浅い知識の中から、小室さんの歌詞で、
ここはツッコんでおかないと、これ以上新年は迎えられない!
と思うものベスト3を選びました。以下3位から・・・
第3位)
Don't Wanna Cry
『敵味方にわかれ、ころっしあいを、しっているね~
そーゆーことでしかぁ、確かめ合うことができなくて』
!!!
っていうか
!!!!
ちょっと一回落ち着いて冷静に丁寧にツッコミを入れるとしよう。
殺し合いで確かめ合うのはおかしいよね!!!!!!!
せめて殴り合いくらいにとどめてほしかったよね!
この曲はね、全体的に歌詞がとっ散らかってるのよね。
1つ1つのフレーズはぐッとくるんだけど、
そういうぐっとくるフレーズがたくさんすぎて
ん、結局何がいいたいの?
って。
傷つきやすい自分を変えたいの?
行動力を身につけたいの?
継続力を身につけたいの?
もっと素直になりたいの?
何がしたいんじゃぁあああああああ!!!
『何かしたいけど何したらいいかわからないからとにかく全部頑張る!』
の典型じゃないか!
意識高い系サークルに入ってるやつにありがちな!
こういうヤツに限って何も成し遂げられないんだよおばちゃん知ってる(経験上)
この曲には他にもけっこう味わい深いのがありますね。
『そぉやってまっていても無駄だって
みんなわかってるけどね・ぇ、
じゃあなんで待っているのかって
言われたときに気がついた 』
口語!!!
いや、いいんだけど。口語感!!!
なんでかな、急に違和感のある口語感!
イキナリ子供っぽくなった言い回しはなぜ!WHY!ほわい!
第2位)
Can You Celebrate
『二人きりだね、今夜からは、どうぞよろしくね』
この曲、好きなんですよ。
大ヒットしたのに一番トンでも歌詞が多くて。
そこがいいのかもしれない、そこがいいのかもしれないよ、
でもこのしっとりとした歌詞に急に現れた現世感っていうのでしょうか、
フォーの中にマヨネーズ入ってたぁ!みたいな、がつーんとくる何かがあったのよね。
この前にも
「二人きりだね、今夜からは、すぅこぉし照れるよね」
ってのがあって、急に現実に引き戻されるんですよね。
これ私だけかしら?
第3位)
I'm Proud
『愛すること誇れる誰かに
会えなさそうで、会えそな気がしたから生きてきた』
味わい深い!!
味わい深いよ!!!
なんだろう、この味わい深いダサさ!!
愛することを誇れる誰かに会えそうな気がしたから生きてきただけでいいじゃん!
会えなさそうで会えそうな気がしたって、
なんでそんなにフワっとしてるの!?
そんなにフワっとしたもので生きるモチベーションになったの!?
なんか、よくわかんないけど、
それなかったら生きるのやめてたっぽい言いぶりだよね?
大丈夫なの?そんなふわっとした感じでいいの?確信なくていいの?
好きだな、このふわっとしたところ大好きだな。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
これだけ言っておいてなんだけれど、大好きだよ小室さんの曲。
もちろん。だって、この曲と共に育ってきたんだもの。
たまに流れるたびに、思い出すんだ。
なんにも起こらなかった青春の日々を。