私はこっている。肩が。その他いろいろが。
こういうと、絶対に「いや私の方が」と言う人が出てくると思うが、
最近あらたにした自信をもって言う、いや私の方がこっている、と。
タイ式マッサージでも、
駅前マッサージでも、
ヘアカットの合間のマッサージでも
「すっごい、すっごいこってます!!!」
と絶賛されてきたのだ。
絶賛だけではない。
「かわいそう、かわいそう」
これも頻繁に言われている。
挙句の果てにはレントゲンとった外科医が「この形はこるだろう、かわいそうに、かわいそうに」を連発したほどだ。
数々のその道のプロをうならせてきた私の肉体だが、
不思議なことに、本人は慣れているのかほとんどこりを感じたことがない。
それでも私はことあるごとに
「ああ、かわいそうに、かわいそうに!」と言われ、
マッサージに行くとサービスしてもらったり
「かわいそうすぎるから、耳つぼピアスあげるよ」ってお布施をされたり、
とにかくこりの神のごとく扱われるのだ。
そして何よりマッサージで感じられる快感、それはナンバーワンという存在になったという実感。
「すごいです、お客様すごいです!」
「すごいかな、おで、すごいかな・・・」
「それはもう、すごいですお客様!」
「おで、おとうちゃんにいつでも一番になれって言われてきたんだ。でもおでいつもおちこぼれで何にも一番になれなくて」
「いえお客様、わたくしが証言いたします、お客様こそが!ナンバーワン!です!」
みたいな。そういう雰囲気になるの。
今日もマッサージ行ったんだけど、
触るなりマッサージ師さんが
「ぶほっ」って吹き出しよってな。
「すっごい!すっごいこっています!」ってなんか興奮気味に言うからさ、
もう一般的な反応に慣れつつある私は鷹揚に笑って、「そうでしょう」と言ったのよ。
その人はちょっと興奮冷めやらぬ感じで
「ああすごい!肩も、背中も、足裏も!ぜんぶすさまじくこっています!」って
なんか、新人ちゃんに新しいものを見せてあげたみたいな、そんないい気分になっただわよ。
そしていつも続くお決まりの会話ですよ。
「つらいでしょう!?」
「これがね、つらくないんだよふっふっふ」
もう私としては何度も繰り返し尽くした会話なんだけどさ、
新人ちゃん目をキラキラさせちゃって。
かわいいんだから。
誰かお願いこらない方法を教えてください。