日曜日、大好きな日曜日です。
部屋で、人という分類を捨て果てミミズかスライムの仲間入りをしたのかというほどヌルヌルマッタリのんびりしていたら、ドアを叩く何者かがいる。
チャイムじゃなくてドア。
もちろん、人間嫌いな私はいないふりを決め込む。
が、結構長い間叩いている。
おかしい。私の家の前には生活感は漂っていないはず。なんでいるのがばれたのかしら
なんて思っているうちに攻撃はチャイムに移行。
私はあたかも
「最近女性一人って危ないから、あんまり訪問には答えたくないんです」的なか弱いっぽい声でインターホンをとる。
「すみません、大家さんに聞いてきた者なんですが」
大家さん!?
はて、夜中の寝言(&睡眠シャウトなど)がお隣さんに聞こえていたりでもしたんでしょうか。
「いえ、聞いてないんですが」
と、あえて頓珍漢な受け答えで煙に巻こうとする私。
だから別に私に聞いたなんて言ってないやんけと自分で一人突っ込み。
「いえ、大丈夫ですから」
大丈夫な根拠がわからないが、とりあえず隙間分ドアを開けてみる。
隙間だけ空けるのは怖いからではない。見通しのよい玄関の日曜まっぴるまだ。
原因は、くしもあてずまとめた髪に眼鏡ルックというあたりにもある。
「どうも、4月ということでね、色々新しくなるということで、色々お持ちしまして。」
18番、洗剤とゴミ袋登場。
新聞かよ。
大家さんといったい何の関係が。
「ちなみに、何年生ですか?」
「社会人(しかも5年目)ですけど」
「えっ!てっきり学生さんかと思いました!」
ほぅ、それは今日の私の大人のたしなみをかなぐり捨てたパジャマスタイルのお陰かしらね。
ってか解放してくれよ。さすがにパジャマで玄関はきついんだよぅ。もぅいい年なんだからよぅ(じゃあ着替えろ→その気はない)。
「最近新聞はネットで見られるからとかゴミになるとかで」
うん、ゴミになるさね。
「でもどうしても数字が足りなくて、3ヶ月だけ助けていただけませんか。決して更新をお願いしには来ませんから。」
う~ん、そう言われると、こっちもつらいねえ、気持ちはわかるよ。願わくばパジャマじゃないときに来てほしかったよ。
「じゃあ、いつきたらよいのでしょう?」
パジャマじゃないときだから・・・・・・・・会社にいるときに来ていただけると。
「いえ、来年の4月にお願いします。」
「今新聞は何をとっていますか?」
「とってません。」
世捨て人の私に新聞なんか勧めないでください。世の中のことがわかっちゃったらどうするんですか。
「これまでずっととっていないんですね、結構手ごわいのですね」
そんな大阪のおばちゃんのケチさをそこまで行くと尊敬してまうわ的な敬意のこもった言い方しないでください。
「しかし世の中の動きなど知っておかないと」
「(だから知りたくないの)実家の新聞読ませてもらうからいいです」
「社会人ですよね?」
「はい。」
「では、もうスネはかじっていないんですね」
うるせぇ。
「うちの配達員のものを紹介したいと思います。」
なぜ!
「まだ若くて朝は弱いみたいですがね、フットワークはいいみたいです。」
ちょっとオバハンの母性本能がくすぐられそうな若い男、脈絡もなく登場。
だからパジャマの前にワカモノを立たせないでください。買う気が更にそげましたが?
70%の確率で私が見えない場所に美人のねえさん配達員も隠れてんだろう(出てきたのが男だった場合に)
なかなかいい戦略だが、
「あーそうですか(心から『だからなんだね』)」
「いかがでしょう。」
「・・・・・・すみません、パジャマなんで。」
「わかりました。来年の4月にまた来ます。」
そのときには着替えておきます。